FSW(摩擦攪拌接合)の話

摩擦攪拌接合

FSWの話

FSW(摩擦攪拌接合)は熱影響の抑制・シールドガスが不要・粉じんが発生しない、といった利点があり、
鉄道車両・航空機・船舶から自動車分野まで適用拡大が期待されています。
摩擦熱によって被加工物を適切に加熱すると材料が撹拌されて接合されますが、温度の管理が非常に重要です。
なぜなら温度が低いまま接合すると工具が損傷し、温度が高くなりすぎると材料が溶けてしまいまうからです。
このページでは弊社のモニタリング技術を中心にFSW(摩擦攪拌接合)について説明させて頂きます。

1. FSW(摩擦攪拌接合)とは?

先端に突起のある円筒状の工具(ツール)を回転させながら強い力で押し付けることで突起部を接合させる部材(母材)の接合部に貫入させ、これによって摩擦熱を発生させて母材を軟化させるとともに、工具の回転力によって接合部周辺を塑性流動させて練り混ぜることで複数の部材を一体化させる接合法です。
英語ではFSW(Friction Stir Welding)と呼ばれ、直訳した摩擦攪拌溶接という用語が利用される場合もあります。
長所としては、接合部の熱影響を抑制できる、シールドガスが不要、騒音や粉塵の発生を低減できる、
という事が挙げられます。

ツール

ツール

FSW(摩擦攪拌接合)模式図

FSW(摩擦攪拌接合)模式図

2. ツールとは?

FSW(摩擦攪拌接合)は接合ツールと呼ばれる特殊な工具を用います。この工具は円柱形状で,先端にプローブと呼ばれる突起をもっています。接合材料・板厚に応じて最適なツール形状は異なります。
山本金属製作所ではコア技術である精密加工技術を活用し、FSW(摩擦攪拌接合)ツールの設計から製作まで対応可能です。 接合材料・板厚に応じたツールの材質・形状の提案もさせて頂きます。
ツール材質実績:SKD・Ni基合金・コバルト合金・タングステンカーバイド等

3. FSW(摩擦攪拌接合)で重要な事は?

最適な条件で接合を行う事です。
最適な条件で接合が行われない場合、接合場所にフラッシュ、キャビティ、ルートフローといった欠陥が発生し品質に影響したり、プローブの磨耗が激しく、工具費用が大きな負担になるといった問題が発生する可能性があります。これらの欠陥の発生をリアルタイムで検出したり、最適接合条件を検討するには、接合中にツールの温度をモニターすることが重要です。
山本金属製作所のMULTI INTELLIGENCE®では接合中のツール温度をリアルタイムに計測が可能です。
3点同時に計測することにより入熱の解析に活用できます。接合現象をリアルタイムで【見える化】を行い、最適接合条件選定のサポートを行います。

4. 接合の品質はどのように評価するのですか?

ツール磨耗、接合時のプローブ先端とショルダーの温度、ワーク表面温度、接合後の欠陥状態の観察、主軸負荷等の定量的な計測が必要です。
接合後の見た目や欠陥を観察することも必要ですが、それ以上に接合中に起きている現象を【見える化】することも品質を評価する上で非常に大切となります。
山本金属製作所のMULTI INTELLIGENCE®では接合中のツール温度をリアルタイムに計測が可能です。
3点同時に計測することにより最適接合条件を選定できます。

上の図はツール温度の測定例となります。
接合部の入熱(ツール回転数/接合速度)を同じにしても、ツール回転数を増すにつれてプローブ先端及びショルダ部の接合中の温度が上昇する様子が分かります。
また、プローブ先端の温度は接合中一定であることやプローブ先端(赤線)がツールのなかで最高温度を示すことも分かります。
これらの現象と接合後の断面観察を組み合せると接合現象の解明を行うことが可能です。
また、2000rpm/1000mm/min.の条件では接合開始後プローブ先端の温度が低下したが、接合後X線透過試験を実施すると、キャビティ(空洞)が認められました。

5. 異材の接合は出来ますか?

接合は可能です。ただし、異材接合の場合は、適切なツール形状と接合条件に関するUnknown factorが多いのが実情です。
そんな中、やみくもに条件出しを行うとパラメーターが多くなり試験効率が良くありません。
特に共晶反応を生じる異材接合では最適接合条件の選定には温度の測定が不可欠です。なぜなら、接合中の温度が共晶温度以下となる接合条件を選定しなければならないからです。
山本金属製作所のMULTI INTELLIGENCE®では接合中のツール温度をリアルタイムに計測が可能です。接合現象の【見える化】を行い、最適接合条件選定のサポートを行います。
また、富山県産業技術研究開発センター内に弊社のラボがあります。
そちらでも受託試験を実施しておりますのでお気軽にお問合せ下さい。

研究開発拠点「富山県産業技術研究開発センター」はこちら