材料や構造物に外力が作用していない状態でも、内部で静的に釣合いを保っている応力が存在している場合があり、
このような内部応力を残留応力(residual stress)と呼びます。応力には方向があり、物体が外力によってひっぱられ、伸ばされようとするときに発生するものを引張応力といい、反対に外力によって縮めようとするときに発生するものを圧縮応力といいます。他にもせん断応力や曲げ応力などがございます。
山本金属では内部残留応力計測方法であるMIRS®法を提供しております。
残留応力は機械加工精度に密接に関わってくるもので、機器の損傷や材料の疲労強度、寿命に悪影響を及ぼすことが多いものです。
このようなトラブルに対応するにはかかる力の向きや大きさ、深さなどを知る必要があります。
しかし、残留応力の発生状況は加工条件、加工方法、材料、など多岐に渡るので、しっかりとした知識と対応が求められるものとなります。
このページでは弊社の残留応力計測サービスを中心に残留応力について説明させていただきます。
材料や構造物に外力が作用していない状態でも、内部で静的に釣合いを保っている応力が存在している場合があり、
このような内部応力を残留応力(residual stress)と呼びます。応力には方向があり、物体が外力によってひっぱられ、伸ばされようとするときに発生するものを引張応力といい、反対に外力によって縮めようとするときに発生するものを圧縮応力といいます。他にもせん断応力や曲げ応力などがございます。
山本金属では内部残留応力計測方法であるMIRS®法を提供しております。
残留応力の発生原因として
・溶接加工を施した際に、溶接個所は熱的に影響を受け、一部が溶け、それが急速に冷却されることにより膨張と収縮が起こり、残留応力が発生する「熱による塑性変形」
・材料表面にたくさんの小さな鉄球を打ちつけるにショットピーニング、
ローラーを押しつけて表面層だけ圧縮するロール加工など、表面処理を行う場合に発生する「表面処理による残留応力」
・鋳造、鍛造、曲げ加工、せん断加工、プレス加工などの「塑性加工で起きる残留応力」
などがございます。
残留応力が及ぼす影響としては
・引張応力の場合、疲労強度が弱くなる(圧縮応力の場合は強度が増す場合もある)
・腐食割れや脆化などを引き起こす可能性がある
・メッキ処理の場合は、メッキの応力と材料の外側の応力により、メッキ層が剥離しやすくなることがある
・摩擦がおきる箇所の場合、磨耗量が増加することがある
こういった影響を引き起こします。
残留応力の計測方法は多数の種類があり、大きく破壊法と非破壊法そして部分壊法に分けられます。
破壊法:・固有ひずみ法 ・コンター法 ・ひずみゲージ切断法
非破壊法:・X線回析法 ・中性子回折法 ・シンクロトン回折法
部分破壊法:・穿孔ひずみゲージ法 ・DHD法 ・MIRS®法
このように残留応力の計測方法は多種ございますが、板厚内部の残留応力を測定できる方法は多くありません。取り分け50mm以上の厚板となると、その数は更に限られます。そこで(株)山本金属製作所、大阪大学、コベルコ溶接テクノ(株)の3機関が、高精度で迅速性を有する内部残留応力計測を可能とする改良型DHD法であるMIRS®法を開発しました。内部残留応力でお困りであればぜひMIRS®法をよろしくお願いいたします。
(株)山本金属製作所、大阪大学、コベルコ溶接テクノ(株)の3機関で開発した、内部残留応力計測方法のMIRS®法は
①孔あけ②計測③トレパニング④再計測の手順で計測する素材の破壊量を極限まで抑えたシンプルな手法です。
これによって高精度、短期間、低コストでの運用が可能となっております。
また、鉄骨仕口部のような複雑形状や100mmを超える板厚内部の残留応力も計測可能です。
金属材料だけではなく、樹脂材料など多くの材料に対して計測できることも強みの一つになります。
弊社岡山研究開発センターでの受託試験を実施しておりますのでお気軽にお問合せ下さい。